Plastic Tree アルバムレビュー#2 「Puppet Show」

 

はじめに

どうも、ごきげんよう。この度はPlastic Treeの2ndアルバム、「Puppet Show」についてレビューさせていただきたく思います。このアルバムについては、前作の「Hide & Seek」とはかなり違う作風になっていて、かなりオルタナ色が強くなっています。個人的にこのアルバムについて思うこととしては、本レビューの後にレビューを記述する予定である3rdアルバム「Parade」に比べてしっくりくるのに時間がかかったアルバムだったように思えます。その理由は、Paradeのレビューの時に話せればと思います。それでは、いくつかピックアップした曲について語っていきます。

 

 

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1.May Day

インストであるイントロを除くとして実質本アルバムのオープニングとなる曲。速いテンポにまるで初期The Smashing Pumpkinsを彷彿させるような豪快なオルタナサウンドを乗せた、非常に爽快でカッコいい曲。オープニングからぶち上がることができますね。ちなみに、彼らの13枚目のアルバムである「剥製」に「スラッシングパンプキン・デスマーチ」って曲があることからも、彼らはスマパンから影響を受けてることが確認できますし、他にも、6枚目のアルバム、「cell.」には「comic youth」という明らかに「Sonic Youth」意識してるだろ!という曲が収録されていたりしますね。

 

2.絶望の丘

ワーミーサウンドが印象的なこの曲。その曲名とは裏腹に、メロディは優しいです。前作にはないような優しいポップさがここで見えてきます。

 

3.「ぬけがら」

静かに歌うAメロとBメロからサビになった瞬間に激しく叫ぶように歌われるこの曲。このサビの歌声に乗せられた「本当の気持ちじゃないなら どんなことももうしないでよ」が何故か心にグサッと刺さります。私がこのアルバムで1番好きな曲だったりします。今作から、この曲で見られたように、サビになった瞬間に激しく感情を出すような、「静」と「動」の差を大きくしてそれらをうまく表現できてきる曲が顕著になってるように思えます。本アルバムでいうと、「3月5日。」という曲なんかはそれに該当するんじゃないんでしょうか。

 

4.本当の嘘

前の曲、「ぬけがら」の激しさから打って変わって聴いててどこか爽快感を感じるメロディに悲しい歌詞を乗せて歌われるこの曲。「ぬけがら」からの本当の嘘の曲の繋がりと言いますか流れといいますか、これがなかなかナイスです。

 

5.クリーム

耳に残るロックなギターのイントロからもうテンションが上がれるこの曲。全てにおいてメロディが完璧なんですが、個人的にはBメロのサビへ繋げるメロディだったり、サビ後の「陽の当たる花壇の前〜(省略)〜ゆらぐ ゆらぐ ゆらぐ」のメロディ及び有村竜太朗の歌い方がなんか好きだったりします。

 

総評

前作と打って変わってオルタナ色が全体的に強く出ている本アルバム。アルバムとして一貫性がある上で、May Dayやクリームのような爽快な曲、絶望の丘のような優しいメロディの曲、「ぬけがら」や3月5日。のような静と動が激しい曲、(ピックアップはしてないが)幻燈機械やサーカスのようなほんのりV系っぽさが残っているやや長尺な曲があったりと、前作に比べて多彩な曲作りをしているように思えます。また、このアルバムからV系というジャンルからかなり逸脱したように感じます。

また、Plastic Treeをまだ聴いてない人に対してはこのアルバムから聴くことよりも、次のアルバムのParadeを先に聴くことをオススメします。Paradeをレビューするときにも記述しますが、個人的にはPuppet ShowはParadeのプロトタイプみたいな感じがするんですよね。決してParadeよりも評価が下がるアルバムというわけではないんですが、ParadeはPuppet Showで新たに見えたPlastic Treeの一面を洗練したアルバムだと思っているので、そちらの方がとっつきやすい、という意味でParadeをオススメするわけです。また、今作独特のサウンドの荒っぽさみたいなところは唯一無二ですし、Puppet Showもまた良作だと思っています。

 

それでは、Paradeのレビューでまた会いましょう。

 

でゅーす🤟