Plastic Tree アルバムレビュー#1 「Hide & Seek」

はじめに

ごきげんよう。akarinです。

これより、日本のヴィジュアル系シーンを代表するバンド、「Plastic Tree」のアルバムについて一枚ずつレビューさせていただくことにしました。今回は彼らのメジャーデビューしてから1枚目のオリジナルアルバム、「Hide & Seek」について紹介させていただきますが、その前に、私にとってPlastic Treeというバンドはどんなバンドなのか、思っていることを簡単に述べさせていただきます。

彼らの音楽を聴き始めたのは高校生になってからで、1番最初に聴いたアルバムは、その当時からサブスクに配信されているミニアルバム「echo」でした。そのechoに収録されてる曲をなんとな〜く聴いて、なんとな〜くかっこいいな〜ぐらいに思っていて、ついでにその当時唯一サブスクで配信されていたオリジナルアルバムである「インク」を聴き、これもなんとなく気に入って、アルバムを集め始めて聴き漁って、気づいたら沼にハマってた、みたいな感じです。

オリジナルアルバムを全て聴き通した上で彼らについて、「V系の中でもV系っぽさから乖離したバンド」と認識しています。彼らの音楽性について、1枚目から順に追っていくと実に様々な音楽をやってることがよく分かります。まあとりあえず聴いていただくのが1番早いわけですが、いきなりそんなわけにもいかないでしょうし、私がこれから書く文章を読んだ上で少しでも興味を持っていただけるとありがたく思います。

さて、本レビューでは、他のアルバムにおいても共通させていただく書き方として、最初に軽くそのアルバムについて思うことを、その次に好きな曲をピックアップしてそれぞれの感想を、最後にアルバムとしての総評を、といった形にしたいと思っております。

それでは早速、Hide & Seekについてなんですが、一時期「このアルバムが1番好きだ!」と思っていた時期もあるほどに個人的に素晴らしい作品だと思ってます。というのも、その当時ゴリゴリのアングラなV系とかを聴いてた時代であり、Plastic Treeで1番「V系」という言葉に値するであろうこのアルバムを1番としていた、というワケがあったのですが。

以降からは、いくつか曲をピックアップさせて、それぞれに対して言葉を紡いでいこうと思います。

 

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1.痛い青

本アルバムでのオープニング曲。

プラトゥリの特徴として、アルバムの1曲目は、どこか不思議で、浮遊感があって、ゆらゆらしてるような曲が多いように思えます。そういった1曲目を聴くと、「あ、始まったな」という心構えになるのです。

この曲についても同様で、このアルバム全体として共通してる、90年代V系特有の妖艶なサウンドと、インディーズからHide & Seek期の有村竜太朗のどこかか弱いような声が、この曲に不思議で浮遊感のある雰囲気をブーストさせてるように感じます。

 

2.エーテルノート

「痛い青」とは打って変わって明るい曲調なこの曲。しかし、歌詞を見てみると「希望的な言葉 ノートに書きなぐる 悲しい僕は嘘つきの詩人になる」とあるように、決して明るいものではなく、どこか悲しさが漂ってます。

 

3.割れた窓

どこか憂鬱なメロディのギターリフから始まるロックナンバー。Bメロの「割れたガラス窓を開けたら今すぐに答えを見つけなきゃ」だったり、サビの「深く 深く 深く 水彩に揺れ動く僕の意識はまだ まるで まるで まるで 沈んでいくみたいにゆっくり溶け出していく」というフレーズがこの曲の憂鬱なメロディと相まって耳に残ります。

 

4.まひるの月

90'sV系らしい透明感があって艶やかなサウンドの曲。とにかくギターサウンドが綺麗。この曲も明るめなメロディでありながら歌詞は暗め。

 

5.水葬。

こちらも「まひるの月」と同様に綺麗なギターサウンド、ギターリフが印象深い曲。本アルバムの中で私が1番好きな曲で、とにかくサビのメロディが本当に美しい。サビの歌詞にもあるように本当に海の底に沈んでいくような気分に陥る曲に仕上がっています。

 

6.ねじまきノイローゼ

これまでの曲とは違ってちょっとやさぐれたようなロック調(?)な声で歌う曲。歌詞が意味不明なロックナンバーで、こういった雰囲気の曲は今後のアルバムでもちょくちょく存在する。「しろいはなどこにさく よごれたてのなかにさく」だったり「きみがぼくにくれたものはなに?」といったフレーズは一回聴いただけでも脳にこびりつくレベルで印象的。

 

総評

 

上に取り上げてない曲もみんなとてもいい曲で、アルバムの完成度もとても高いです。全体的な雰囲気としては、薄暗くってどこか憂鬱な雰囲気を漂わせる、90'sV系特有のサウンドが盛り込まれたアルバムとなっています。しかし、「Plastic Tree聴いたことないけど興味あります!」って人に最初におすすめできるアルバムかどうかと言われたら正直微妙なところではあります。というのも、2作目であるPuppet Show以降の彼らとは乖離した作風になっているからです。しかし、素晴らしい出来のアルバムであることは間違いないですし、1作目から順に追っていくのも悪くないかと思います。

それでは、次回の「Puppet Show」でお会いしましょう♪

でゅーす🤘